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SKS2とSKS3の違いについて教えてください。

A

SKS2もSKS3もJISに規定されている合金工具鋼でありますが、化学成分や用途などそれぞれ異なる鋼材です。

SKS2とSKS3の他にもSKS4、SKS5、SKS7、SKS8もあるので、それらの用途、機械的性質、成分に関しましても説明します。また、下記の、化学成分の単位は%です。

それぞれの特徴は下記の通りです。

 

SKS2

SKS2は、JIS G4404に規定されている切削工具用合金工具鋼の一つで、タップ・ドリル・カッター・プレス型・ねじ切ダイスなどに使用されます。

 

・化学成分

C(炭素) 1.00~1.10

Si(ケイ素) 0.35以下

Mn(マンガン) 0.80以下

P(リン) 0.030以下

S(硫黄) 0.030以下

Cr(クロム) 0.50~1.00

W(タングステン) 1.00~1.50

V(バナジウム) 0.20以下ならば添加可能。

 

・焼入れ

焼入れ 860℃ 油冷

焼戻し 180℃ 空冷

焼入れ焼戻し硬度 HRC61以上

 

SKS3

SKS3は、JIS G4404に規定されている冷間金型用合金工具鋼の一つで、ゲージ・シャー刃・プレス型・ねじ切ダイスなどに使用されます。

 

・化学成分

C(炭素) 0.90~1.00

Si(ケイ素) 0.35以下

Mn(マンガン) 0.90~1.20

P(リン) 0.030以下

S(硫黄) 0.030以下

Cr(クロム) 0.50~1.00

W(タングステン) 0.50~1.00

 

・焼入れ

焼入れ 830℃ 油冷

焼戻し 180℃ 空冷

焼入れ焼戻し硬度 HRC60以上

 

SKS4

SKS4とは、JIS G4404に規定されている耐衝撃工具用合金工具鋼の一つで、たがね・ポンチ・シャー刃などに使用されます。

 

・化学成分

C(炭素) 0.45~0.55

Si(ケイ素) 0.35以下

Mn(マンガン) 0.50以下

P(リン) 0.030以下

S(硫黄) 0.030以下

Cr(クロム) 0.50~1.00

W(タングステン) 0.50~1.00

 

・焼入れ

焼入れ 800℃ 水冷

焼戻し 180℃ 空冷

焼入れ焼戻し硬度 HRC56以上

 

SKS5

SKS5で、JIS G4404に規定されている切削工具用合金工具鋼の一つで、丸のこ・帯のこなどに使用されます。

 

・化学成分

C(炭素) 0.75~0.85

Si(ケイ素) 0.35以下

Mn(マンガン) 0.50以下

P(リン) 0.030以下

S(硫黄) 0.030以下

Ni(ニッケル) 0.70~1.30

Cr(クロム) 0.20~0.50

 

・焼入れ

焼入れ 830℃ 油冷

焼戻し 420℃ 空冷

焼入れ焼戻し硬度 HRC45以上

 

SKS7

SKS7は、JIS G4404に規定されている切削工具用合金工具鋼の一つで、ハクソーなどに使用されます。

 

・化学成分

C(炭素) 1.10~1.20

Si(ケイ素) 0.35以下

Mn(マンガン) 0.50以下

P(リン) 0.030以下

S(硫黄) 0.030以下

Cr(クロム) 0.20~0.50

W(タングステン) 2.00~2.50

V(バナジウム) 0.20以下ならば添加可能。

 

・焼入れ

焼入れ 860℃ 油冷

焼戻し 180℃ 空冷

焼入れ焼戻し硬度 HRC62以上

 

SKS8

SKS8は、JIS G4404に規定されている切削工具用合金工具鋼の一つで、刃やすり、組やすりなどに使用されます。

 

・化学成分

C(炭素) 1.30~1.50

Si(ケイ素) 0.35以下

Mn(マンガン) 0.50以下

P(リン) 0.030以下

S(硫黄) 0.030以下

Cr(クロム) 0.20~0.50

 

・焼入れ

焼入れ 810℃ 水冷

焼戻し 180℃ 空冷

焼入れ焼戻し硬度 HRC63以上

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