FC材って何?規格・硬度・種類・用途の紹介!
まずは鋳造を知る!
材料(主に金属)を高温で熱して液体に状態変化させた後、型に流し込んで冷却し、目的形状に固める加工方法です。
鋳鉄とは
鋳造の材料において、型の隅々まで材料が流れること、硬いことが重要です。
鋳鉄は鉄、炭素及びケイ素を主成分とする合金です。炭素量が2.1%~6.7%で多く含まれています。また、ケイ素も1~3%程度含まれています。このため、鋳鉄は一般的な鋼材よりも凝固点降下の効果が大きく融点が低い(一般鋼材の融点が約1500℃に対して約1200℃)ので、低エネルギーで材料を溶かすことができ、かつ型に流しやすいといった特徴を持ちます。また、鋳鉄の高い炭素含有量により高硬度であるので、鋳鉄は鋳造に使う材料として適しています。
炭素含有量が2.1%未満での鋳造用の鉄鋼材料は鋳鋼に分類され、鋳鉄とは区別されます。
FC材(ねずみ鋳鉄)とは
FC材とはJIS G5501「ねずみ鋳鉄品」に規定されている鋼材です。引張強さと硬さが規定されており、FCの後ろに付く数字は引張強さの下限値を示します。FC100~FC350の6鋼種があります。Fは鉄(Fe)のF、Cは鋳造、鋳物を指す英語のCastingのCです。
ねずみ鋳鉄は普通鋳鉄とも呼ばれる鋳鉄の一種です。ねずみという名称は単に表面が灰色、ネズミ色であったことに由来します。鋳造の後で徐冷することにより、鉄組織中に析出した片状のグラファイト(黒鉛)を含んでいるのが特徴です。高い炭素含有量により、高硬度で耐摩耗性、耐熱性、切削加工性に優れるが、靭性に乏しいといった難点もあります。また、振動減衰性が特に優れ、振動を速やかに吸収します。これらの性質を活かしてマンホールの蓋や防火戸、ブレーキディスク、各種機械部品などに使用されます。
鋳造の後で急冷すると鉄組織中の炭素は黒鉛として析出せずに鉄の炭化物であるセメンタイトとして析出して(チル化、白銑化という)白鋳鉄となります。セメンタイトはより硬く、耐摩耗性に優れるため、白鋳鉄は耐摩耗部品に使用されます。また、ねずみ鋳鉄と白鋳鉄が混合したまだら鋳鉄も存在します。
FCD材(ダクタイル鋳鉄)について
FCD材はJIS G5502「球状黒鉛鋳鉄品」に規定されている鋼材です。引張強さ、耐力、伸びなどが規定されています。FCDの後ろに付く数字は引張強さの下限値であり、ハイフンの後ろに付く数字は伸びの数値を示します(本体付き供試材はやや異なる)。別鋳込み供試材で10鋼種、本体付き供試材で5鋼種が規定されています。DはDuctile(展延性があるの意を持つ英語)のDです。
球状黒鉛鋳鉄は鉄組織中の析出黒鉛を球状にして強度や展延性を改良した鋳鉄です。ダグタイル鋳鉄やノジュラー鋳鉄とも呼ばれます(nodularは「小さな節(球)状の」という意味の英語)。鋳造する直前にセリウムやマグネシウムを加えて析出黒鉛を球状化させるのがねずみ鋳鉄との違いです。ねずみ鋳鉄の脆さは析出した片状黒鉛に応力集中しやすい点にありましたが、球状黒鉛鋳鉄は析出黒鉛を球状化することにより応力集中を弱めて、鋳物の脆弱性を克服しています。球状黒鉛鋳鉄は引張強さ、展延性、靭性に優れるますが、振動減衰性はねずみ鋳鉄の方が優れているので使い分けられています。強度の必要な自動車部品や水道管(ダグタイル鋳鉄管)に使用されています。
その他の鋳鉄
可鍛鋳鉄
白鋳鉄を熱処理した鋳鉄です。黒心、白心、パーライトの3種類の可鍛鋳鉄があります。JIS G5705「可鍛鋳鉄品」にそれぞれFCMB材、FCMW材、FCMP材として規定されています。(可鍛鋳鉄は鍛造できる鋳鉄という意味ではない)
合金鋳鉄
鋳鉄に各種特殊元素(ニッケル、クロム、モリブデンなど)を加え、使用目的に応じて特性を高めた鋳鉄です。
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