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砂型鋳造について、詳しく教えてください。

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砂型鋳造とは

鋳造法の内、砂を型に利用した鋳造法です。古代からある加工方法で、寺の鐘などの製造に用いられており、現在でも工業製品の製造に用いられています。

 

砂型鋳造の加工工程

砂型鋳造の主な工程は以下です。

①原型を作る

②砂で原型の上下の型を取る(製品による)

③原型を取り出し、上下の型を合わせる
空洞がある鋳物を作るときは、中子という砂型を別に用意しセットする

④湯口から溶融した金属(溶湯)を流し込む

⑤砂型内で溶湯を冷却し、固める。

⑥砂型を壊し、鋳物を取り出す

⑦不要部をカットするなどの仕上げを行う

 

砂型鋳造の種類について

砂型鋳造は、砂型の成形方法によっていくつかの種類に分かれます。

 

生砂型鋳造法

鋳物砂には珪砂(石英を主成分とする砂)にベントナイト(モンモリロナイトを主成分とする粘土の総称)、少量の水とでん粉と石炭粉を混ぜたものを使います。

粘土の粘り気を用いて、原型から型を取り鋳型(生型)を作り、鋳造する方法です。製作できる範囲が広く、小さい鋳物から数百Kgの大きい鋳物まで鋳造できます。

また、鋳物砂は繰り返し利用できるので、鋳型のコストが安く経済的な鋳造法です。しかし、型を取る作業者により品質が左右するという欠点もあり、高品質にするには高い技術が必要です。

 

乾燥型鋳造法

鋳物砂に含まれている水分を乾燥し水分を除去した鋳型で鋳造する方法です。水分による鋳造不良を生じにくく良い鋳物が得られます。乾燥させるための熱源や設備、鋳型のどの部分を乾燥させるかなどによって更に細分化されます。

複雑な形状、中子の多い形状、大型の鋳物を作る時に使われる方法です。しかし、乾燥するため生砂型に比べて、時間と設備が必要になります。

 

自硬性鋳型鋳造法

鋳物砂に砂型の強度を上げるために樹脂などを混ぜ込むことで、造形後に放置し自動的に硬化する型で鋳造する方法です。

水ガラスやセメントを混ぜ込む無機自硬性とフラン樹脂などの樹脂を混ぜ込む有機自硬性の2つに大別されますが、造形の効率や砂のリサイクルなどの点において有機自硬性の方が優れており、現在では用途に合わせた有機自硬性鋳型が用いられています。

しかし、硬化する速度が温度や湿度などの影響を受けるため管理が難しい欠点もあります。

 

熱硬化型鋳型鋳造法(シェルモールド法、クローニング法、Cプロセス)

熱硬化性樹脂を添加した鋳物砂(RCS砂と呼ばれる)を加熱した金型に吹き付けると、金型に当たった鋳物砂は熱硬化されます。それを金型から外して鋳型として用います。この鋳型は通常厚みが5~10mmで殻状になることからシェルモールド法と呼ばれます。

金型に沿った鋳型ができるので、通常の生砂型より精度が高いです。また、同一の鋳型を製作しやすく、自動車部品などの大量生産に適しています。しかし、熱硬化性樹脂を用いているため、鋳物砂の再利用には特別な処理が必要です。

 

ガス硬化性鋳造法(コールドボックス法)

粘結剤を使用した鋳型に反応性のガスを通すことで、粘結剤を硬化させた鋳型で鋳造する方法です。粘結剤とガスの組合せによっていくつかの種類に細分化されます。

鋳型を作るのに熱源を使用しないため、コールドボックス法と呼ばれます。硬化時間が秒単位と早く、内部まで硬化させることができます。

 

砂型減圧鋳造法(Vプロセス)

原型に加熱軟化した薄膜フィルムを密着させ、その上に砂枠を置いて中に鋳物砂を充填し、更にその上に保護フィルムをかぶせて、砂型中の空気を吸引し減圧します。減圧された砂型は砂粒同士の摩擦により形状が保持され、フィルムごと原型から外すと鋳型が出来上がります。

鋳造した後、減圧を解除すれば砂型を崩せて鋳物を取り出せます。この鋳物砂は粘結剤などを使用しないので再利用がしやすく、鋳物砂と原型がフィルム越しなので原型が長持ちします。欠点として、フィルムに成形限界があることや複雑形状に向かないこと、集塵設備が必要なことが挙げられます。

 

凍結鋳型鋳造法

鋳物砂の粘結剤として樹脂などではなく水を用いる方法です。鋳物砂の水分を凍結させることで、鋳型を形成します。

鋳造した後、鋳型は凍結が解けることで自然崩壊するので、鋳物を取り出しやすく、樹脂などの粘結剤を利用しないことで鋳物砂の再利用が容易にでき、ガスが発生しにくいので作業環境改善できます

 

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