よくある質問

合金工具鋼とは何ですか?種類や特徴を教えてください。

A

合金工具鋼とは

合金工具鋼とは、炭素工具鋼(SK材)に各種元素Ni(ニッケル),Cr(クロム),Mo(モリブデン),W(タングステン),V(バナジウム)などを添加し、炭素工具鋼に欠けていた焼入れ性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐熱性を改善した工具鋼のことです。

合金工具鋼の特徴

前述の通り、炭素工具鋼と比べて、焼入れ性、耐摩耗性、耐衝撃性、耐熱性に優れます。※添加した元素と量によります。

合金工具鋼の種類・特徴・性質

合金工具鋼は使用目的によって、切削用、耐衝撃用、冷間金型用、熱間金型用の4つに分類されます。

①切削用合金工具鋼

JISに規定されている8つの鋼種があります。切削用なので比較的炭素量が多い点が特徴です。Ni(約1%)が添加されているSKS5やSKS51は、丸のこや帯のこなど靭性を必要とするものに使用されており、WやVはとても硬い炭化物を形成するので耐摩耗性を必要とするものに添加されています。Vはさらに焼入れ性、焼き戻しの軟化抵抗性を高めて耐熱性を高めます。Crは焼入れ性を向上させるが、炭化物を形成し、耐摩耗性の向上にも役に立っています。焼き戻しの温度は通常150℃~200℃ですが、Niを添加したSKS5,SKS51は焼き戻しの温度が400℃~500℃と高くなります。
また、切削用合金工具鋼でも刃先温度が300℃を超えると、軟化し切削能が落ちる傾向にあります。この温度を600℃まで高め、高速重切削にも耐えられるようにしたのが高速度工具鋼(ハイス鋼)です。

②耐衝撃用合金工具鋼

JISに規定されている4つの鋼種があります。靭性と耐摩耗性を兼ね備えたもので、切削用と比べて炭素量が少ない点が特徴です。その中でも炭素量を多くしているSKS43、SKS44はSiとMnの量を特に低くしCrとWを加えず、Vのみを加えています。これは焼入れ性を小さくして表面硬化をねらい、心部に靭性を与えるためです。焼き戻しの温度はいずれも150℃~200℃となります。

③冷間金型用合金工具鋼

JISに規定されている10の鋼種があります。耐摩耗性の他に、経年変化の少ない安定性を要するゲージやダイスに用いられます。SKD系はSKS系に比べてCとCrの量が多く、Mo,W,Vが添加されるので、自硬性(焼入れ温度から空気中で冷却する程度でも、マルテンサイトを生じて硬化する性質)を持ち、焼入れ歪みが小さく、Crなどの炭化物により耐摩耗性も優れます。残留オーステナイトがあると寸法変化を起こすので、焼入れ直後に深冷処理(-80℃)を行い十分にマルテンサイト化して、その後150℃~200℃の低温焼き戻しを行ってから使用します。

④熱間金型用合金工具鋼

JISに規定されている10の鋼種があります。高温成型用のプレス型及びダイカスト用ダイス、押し出しダイスにはCrの量が多いSKD系が用いられます。熱疲労を考慮し、いずれもCの量を低くする代わりにWの量を高めるか、MoやVを添加し焼き戻しの抵抗性を高めることにより、耐摩耗性と耐熱性を与えています。
600℃前後の高温焼き戻しを行います。熱間鍛造用型鋼には、SKD系よりCrの量が低いが、CとMnの量がやや高いSKT系が用いられます。Ni,Mo,Vを添加し靭性と焼き戻しの抵抗性の向上を図っています。

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