よくある質問

各種SKS材の硬度と価格について教えてください。

A

SKS材の硬度

JIS G4404(合金工具鋼鋼材)には、実用脱炭層深さ測定用の熱処理条件及び硬さが規定されていますので、以下に記載します。

※温度の単位は℃
硬度の単位はHv(ビッカーズ硬度)

 

■切削用工具鋼

SKS11 焼入れ790水冷 焼き戻し180空冷 硬度746
SKS2 焼入れ860油冷 焼き戻し180空冷 硬度720
SKS21 焼入れ800水冷 焼き戻し180空冷 硬度720
SKS5 焼入れ830油冷 焼き戻し420空冷 硬度446
SKS51 焼入れ830油冷 焼き戻し420空冷 硬度446
SKS7 焼入れ860油冷 焼き戻し180空冷 硬度746
SKS81 焼入れ790水冷 焼き戻し180空冷 硬度772
SKS8 焼入れ810水冷 焼き戻し180空冷 硬度772

 

■耐衝撃工具鋼

SKS4 焼入れ800水冷 焼き戻し180空冷 硬度613
SKS41 焼入れ880油冷 焼き戻し180空冷 硬度560
SKS43 焼入れ790水冷 焼き戻し180空冷 硬度772
SKS44 焼入れ790水冷 焼き戻し180空冷 硬度697

 

■冷間金型用

SKS3 焼入れ830油冷 焼き戻し180空冷 硬度697
SKS31 焼入れ830油冷 焼き戻し180空冷 硬度720
SKS93 焼入れ820油冷 焼き戻し180空冷 硬度772
SKS94 焼入れ820油冷 焼き戻し180空冷 硬度720
SKS95 焼入れ820油冷 焼き戻し180空冷 硬度674

 

鋼の硬度は、含有している炭素量に強く依存し、炭素量が多い鋼材は硬度が高くなります。
(例として炭素量だけが異なるSKS93~95はその性質を良く示しています。)

丸ノコや帯ノコに使用されるSKS5とSKS51は、他の切削工具用と比較して炭素量が少ないため、硬度が低くなります。(その代わりにNiが添加して軟化抵抗を上げ、靭性を良くするため焼き戻し温度が高くなります。)

耐衝撃用のSKS材は、靭性を持たせるため、炭素量が低めです。よってSKS4とSKS41は硬度が低いですが、SKS43とSKS44はCrとWの代わりにVを添加しています。硬い炭化物ができますが、焼入れ性が悪くなるため、表面は硬く、内部は靭性をもつ鋼材となります。
(焼入れ性が悪くなるのを上手く逆利用しているわけです)

 

SKS材の価格について

※前提として、材料の種類や寸法、形状、需要と供給、販売する材料商社など、価格が変動する要因は多くあり、一概に高い安いを決めることはできません。

日刊工業新聞には主要材料・製品卸相場という欄があり、様々な工業材料の相場が、東京と大阪のそれぞれ高値と安値が掲載されています。その中の特殊鋼の項目に特殊工具鋼としてSKS3が掲載されており、おおよそ510~520(千円/トン)ぐらいを推移しています。
SKS93は320~330(千円/トン)を推移しています。SKS93はSK3の代用品として扱われていることが多いため、炭素工具鋼の項目として掲載されています。
SKS3はW(タングステン)が含まれていますが、SKS93は含まれていません。タングステンはレアメタルの一つであり、それを含むSKS3はSKS93よりも高くなります。つまり、他のSKS材も添加元素によって価格が上下するということが大まかだが言えます。

前述したとおり、多様な要素により価格が決まるため、個別の鋼材の値段は材料商社・メーカーに問い合わせるのがベストです。

(ちなみに、同じく日刊工業新聞主要材料・製品卸相場欄によるとタングステンはおおよそキロ3000円を超える価格がとても高い材質となります。SKS93よりSKS3の方が高くなる理由が分かります。もっともガリウムやロジウムや金など更に高い金属もあります。)

 

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>>SKS材の特徴や種類について、詳しく教えてください。

 

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