ステンレス(SUS)の特徴や種類、選定のポイントを紹介
SUSの特徴
ステンレス鋼(SUS)は「クロム(Cr)を10.5%以上含み、炭素(C) が1.2%以下の 合金鋼」と定義され、1910年代前半に発明されました。クロムを加えることで表 面に不動態皮膜(酸化物で作られる薄い膜)が形成されるため、膜を越えての酸化 を防ぎ、よって、耐食性を有するという点が特徴です。
SUSの種類について
ステンレスは、主要成分を元に分類すると、「クロム系ステンレス鋼」「クロム・ニッケル系ステ ンレス鋼」の2つに大別されます。また、 金属組織を元に分類すると「オーステナイト系」「フェライト系」「マルテンサイ ト系」「オーステナイト・フェライト系(ニ相系)」「析出硬化系(PHステンレ ス)」の5つに大別されます。
オーステナイト系ステンレス鋼
オーステナイトを主要組織とするステンレス鋼で、18クロム–8 ニッケル(SUS304)が代表的なクロム・ニッケル系ステンレス鋼です。一般に延性、靭性に富み、冷間加工性、溶接性に優れます。耐食性も優れ、低温、高温におけ る性質も優秀です。このため用途は多岐にわたり、製造量も全ステンレスの6割を 超えます。
上述の通り、オーステナイト系は、クロムの他にオーステナイトを安定させるためにニッケルを含んでおり、他の系と結晶構造が異なるため、非磁性(常磁性)であり磁石に付きません(冷間加工した場合、磁性を示すことがある)。このため、電気電子部品での使用されています。また、磁性による分別ができリサイクルも進んでいます。耐食 性は、総じて言えばフェライト系とマルテンサイト系よりも優れます。オーステナイト 系の強度低下開始温度は約600°Cと高く、耐熱材料としても用いられます。また、明確な 延性脆性遷移温度が存在せず、極低温でもある程度の延性を示し機械的強度を保 ちます。
・SUS304…オーステナイト系の主たるステンレス鋼で最も流通しているステンレス 鋼です。ベーシックな耐食性を持ち、溶接性、冷間加工性に優れるため汎用性が高く、 多種多様な用途で用いられています。
・SUS303…SUS304に硫黄やリンを添加し、切削加工性を上げた快削ステンレス鋼の 一種です。しかし、耐食性や溶接性はSUS304に劣ります。常時水に晒される環境下では1年程 度で腐食が発生することがあるため、その場合はSUS304を選択するほうが無難です。 切削加工性には優れているので、加工コストを下げることが出来る。
フェライト系ステンレス鋼
フェライトを主要組織とするステンレス鋼で、18クロム系 (SUS430) が代表的なクロム系ステンレス鋼です。熱処理による硬化がほとんどな く、焼きなまし状態で使用される。マルテンサイト系ステンレスより成型加工性、 耐食性に優れ、溶接性も比較的良好であるため、一般耐食用として広く使用されて います。近年の精錬技術向上により、低炭素・窒素の高純度フェライト系ステンレス 鋼も存在します。強磁性を持ち磁石につきます。
・SUS430…フェライト系ステンレス鋼の代表例です。オーステナイト系のSUS304に対し て、耐食性、強度で劣るが、安価で価格が安定しており、入手しやすいステンレス 材料となります。
マルテンサイト系ステンレス鋼
常温でマルテンサイトを主要組織とする組成を持つステンレス鋼で、13クロム系 (SUS410, SUS420J2) が代表的なクロム系ステンレス鋼です。他のステンレス鋼と比 べて炭素量が多いのが特徴となります。組成や熱処理によるが、ステンレス鋼の中でも最高の 硬度を発現させることが可能です。ただし、耐食性はステンレス鋼の中でも劣る分類に 入ります。耐摩耗性も高いので、軸受などの機械構造用部品や刃物などに適しています。 強磁性を持ち磁石につくのも特徴の一つです。
オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(ニ相系)
オーステナイトとフェライトの2つの金属組織が共存するステンレス鋼です。物理的性質 もオーステナイトとフェライトのほぼ中間となります。フェライト系を有しているので 磁性を持ちます。耐海水性、耐応力腐食割れ性に優れ、高強度です。このため海水環境 下や油井関係などで使用されることが多くあります。原料や製造コストが高いため、ステンレス鋼 の中でも高価な部類に入ります。
析出硬化系ステンレス鋼(PHステンレス鋼)
析出硬化を起こすことで、高強度化・高硬度化させたステンレス鋼です。ジェットエン ジン、航空機、船舶、ロケットなど耐食性に加えて高い強度が要求される用途に用 いられます。二相系と同様にステンレス鋼の中でも高価な部類に入ります。
※析出硬化・合金中に過飽和に固溶した化学成分が析出して、組織中に微小な粒子 を分散・形成させることで、材料の強度・硬度が向上する現象。析出硬化を利用し た合金としてジュラルミンが有名。
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