ジュラルミンの種類や特徴、用途を紹介!
ジュラルミンとは
ジュラルミンはアルミニウムと銅とマグネシウムの合金の一種です。時効硬化により鉄材(SS400など)に匹敵する強度をもつのが特徴です。
ジュラルミンの歴史
20世紀初頭、ドイツの軍事研究所に勤務していたアルフレート・ヴィルムは、当時薬莢の材料として用いられていた黄銅に変わる新しい合金を製造する研究を行っていました。鋼以外の金属でも適当な元素を添加して焼入れを行えば硬度が増すと考えましたが上手くいきませんでした。1906年9月、アルミニウムに銅とマグネシウムを添加したアルミニウム合金を作り、焼入れを行って硬度を測定したが、その日は週末であったために中断されました。翌週の月曜に測定を再開すると硬度が増加していました。こうして時効硬化現象が偶然にも発見されました。同年、Al-3.5-5.5%Cu-Mg-MnでMgとMnは1%未満の合金を開発し、特許を申請しました。この合金はデュレナ・メタルヴェルケ社からジュラルミンとして製品化されました。第一次世界大戦が始まると、飛行船ツェッペリンの骨組みに採用されました。撃墜されたツェッペリンの骨組みの一部を日本に持ち帰ったことで研究が始まり、1921年には住友伸銅所(後の住友金属工業)工業生産が開始され、翌年にB-6複葉機の骨組みに国産ジュラルミンが採用されました。
アメリカのアルコア社は米海軍から送られてきた墜落したツェッペリンの骨組みを解析し、1916年に17Sを開発しました。さらに、1931年、同社は24Sを開発した。現在の超ジュラルミンはこの24Sを基に作られています。
1936年、住友伸銅所は海軍航空技術廠の要請により、超々ジュラルミンを開発しました。その強度は超ジュラルミンよりも高く、零戦の主翼にも採用されています。その後、1943年、アルコア社により75Sが開発され、現在の超々ジュラルミンの基になっています。
ジュラルミンの種類
ジュラルミンにはJISで以下の3種類があります。
A2017…ジュラルミン
A2024…超ジュラルミン
A7075…超々ジュラルミン
それぞれの化学成分を以下に示します。(単位は%。アルミは残部です。)
A2017 ケイ素0.20~0.8 鉄0.7以下 銅3.5~4.5 マンガン0.40~1.0 マグネシウム0.40~0.8 クロム0.10以下 亜鉛0.25以下 ジルコニウム+チタン0.20以下
A2024 ケイ素0.5以下 鉄0.5以下 銅3.8~4.9 マンガン0.30~0.9 マグネシウム 1.2~1.8 クロム0.10以下 亜鉛0.10以下 ジルコニウム+チタン0.20以下
A7075 ケイ素0.40以下 鉄0.50以下 銅1.2~2.0 マンガン 0.30以下 マグネシウム 2.1~2.9 クロム0.18~0.28 亜鉛5.1~6.1 ジルコニウム+チタン0.25以下
これらの通り、A2017とA2024は主にアルミと銅の合金で、A7075はアルミと銅、マグネシウム、亜鉛の合金です。
ジュラルミンの特徴
硬度
ジュラルミンは一般的なアルミよりも高い硬度を有します。ブリネル硬さ(HB)で比較すると以下のようになります。
A1050(純アルミ)HB20
A5052(アルミ)HB65
A2017(ジュラルミン)HB105
A2024(超ジュラルミン)HB120
A7075(超々ジュラルミン)HB160
SS400(普通鋼)HB130
SUS304(ステンレス)HB187
ジュラルミンはアルミニウム合金の中では高い強度を持ちますが、一般的な金属と同等ぐらいであるといえます。しかし、ジュラルミンは鉄に比べて軽いので、比強度(密度当たりの強度)に優れます。つまり、ジュラルミンはアルミのように軽く、鉄のように強いということです。
耐食性
純アルミは表面に酸化皮膜を形成するので、耐食性があるが、ジュラルミンは銅を添加しているので、粒界腐食が起こるため、耐食性はアルミニウム合金の中では弱い部類に入ります。腐食環境で使用する場合は、十分な防腐処理を施さなければいけません。
溶接性
ジュラルミンは割れ感受性が高いため、一般的な金属に比べて溶接性は劣ります。ジュラルミンの溶接が必要な場合は、経験・ノウハウ・実績が十分にある会社に依頼すると良いでしょう。
ジュラルミンの用途
軽くて強い点を活かし、航空宇宙機器、船舶材料、ネジ、ギヤ、油圧部品、鉄道車両、スキー板や金属バットなどのスポーツ用品などに用いられています。
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