C1020、C1100って何?違いもあわせて解説
C1020、C1100とは
C1020とC1100はJIS H3100(銅及び銅合金の板並びに条)に規定されている銅の内の2つです。C1020は無酸素銅、C1100はタフピッチ銅とも呼ばれます。
銅の特長
化学成分として、C1020は99.60%以上、C1100は99.90%以上の純銅であるため、以下の特徴を有します。
熱伝導性
銅は鉄やアルミと比較して、熱伝導率の高い物質です。現在でも熱伝導性が必要なフライパンや熱交換器などに用いられています。
電気伝導性
銅は純金属で銀に次いで2番目に高い電気伝導率を持つ物質です。銅は銀よりも安価なので、配線をはじめとした様々な導電材料、機械部品に用いられています。
加工性
銅は融点が1084℃と低く、延性・展性に優れるため、加工がしやすい金属です。よって、銅は先史時代から用いられており歴史の長い金属です。
色
銅は、鉄や銀のような銀白色以外の色を持つ数少ない金属です。金属光沢もあるため、工芸品などに用いられています。
C1020とC1100の違い
純銅に差異が現れるのは、精錬工程の一部に違いがあるためです。なので、純銅の精錬工程を説明します。(銅鉱石から粗銅になるまでは省略します)
純度約99%の粗銅を電気精錬することにより99.96%以上の電気銅が作られます。続いて硫黄などの不純物を取り除くために酸化処理を行いますが、この時に電気銅に酸素と水素が取り込まれます。この電気銅を溶解して板や棒などの材料に鋳造するのですが、この溶解と同時に行われる脱酸の方法によって、純銅の種類に違いが出ます。
C1020(無酸素銅)…真空中または一酸化炭素などの還元性雰囲気中で溶解し、鋳造することで脱酸する。
C1100(タフピッチ銅)…溶解した電気銅にポーリング(溶解した金属に松丸太などの生木を投入し脱酸すること)を行い、生木中の有機物で還元し脱酸する。
(C1201,C1220,C1221(リン脱酸銅)…リンなどの脱酸素剤を用いて脱酸する。銅の純度とリンの量によって種類が分かれる。)
これらの方法の違いによって、C1020とC1100は純度と残留酸素量の違いが出ます。
C1020は純度99.96%以上で無酸素銅というだけあり、残留酸素は0.001%以下となっているため、高温に加熱しても水素脆化を生じません。
一方、C1100は純度99.90%以上ですが、残留酸素が0.02~0.05%あります。これを600℃以上に加熱すると取り込まれた水素と残留酸素が反応して、水蒸気になり鋼材に亀裂が入るなどの強度低下を起こします(これを水素脆化という)ので、C1100を加熱するまたは熱が入る環境で使用する際は注意しましょう。
残留酸素があることにより、C1100はC1020よりも銅の純度が低いにも関わらず、C1020と同程度の導電性を持ちます。よって、高温環境下でない導電材料にはC1020より安いC1100がよく用いられます。(純度が高いC1020の方が、値段が高いです。)高温環境下の導電材料として用いる場合やより高い導電性を要求する場合は、C1020が用いられます。
(リン脱酸銅は残留酸素が0.01%程度のため、無酸素銅と同様に高温下での水素脆化を起こしません。しかし、リンが残留しているため導電性が無酸素銅やタフピッチ銅に比べて、約85%程度と劣っているので、湯沸かし器の伝熱管、給水用や空調配管、溶接棒などの非導電材料に用いられています。)
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